ホテルの企画職は、お客様に「また来たい」と思っていただけるような、心に残る特別な体験を生み出すポジションです。宿泊プランの企画立案をはじめ、イベントの企画・運営、収益を意識した施策の実行など、業務の幅はとても広く、クリエイティブな発想と実行力の両方が求められます。
この記事では、そんなホテルの企画職の仕事内容や他業界の企画職との違いをご紹介します。
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目次
ホテルの企画職の仕事内容は?

ホテルの企画職は、施設の魅力を引き出しながら集客力や収益性を高めていくことが主な役割です。お客様に「また来たい」と思っていただけるような体験や時間を生み出すために、様々な業務に携わります。
ここでは、ホテルの企画職の代表的な仕事内容をご紹介します。
①宿泊プランの企画・開発
宿泊プランの企画・開発は、季節感や地域のイベントに合わせてお客様のニーズに応えるアイディアを形にしていきます。例えば、小さなお子さま連れでも安心して過ごせるファミリー向けのプランや、仕事と観光の両立をサポートするような長期滞在プランなど、ターゲットごとに工夫を凝らした提案が求められます。
また、地元の特産品を取り入れた食事つきのプランを打ち出すことで、より印象に残る宿泊体験を提供することも大切です。
②施設内サービスの企画・改善
館内サービスの企画・改善では、顧客満足度を高めるために重要な業務です。例えば、朝食メニューに旬の食材を取り入れて内容を見直したり、新しいアメニティを導入してより快適な滞在を提供したりといった取り組みがあります。
また、サービス向上を目的として新しい施設の導入を提案することもありますよ。スパやサウナの新設、フィットネスエリアのリニューアルなど、設備面からも魅力を高めることで、お客様に「また来たい」と思っていただけるホテルづくりを目指します。
③イベント企画・運営
ホテル館内で行うイベントの企画・運営も重要な仕事の一つです。
例えば、季節に合わせて館内を彩ったり、地域の文化に触れられる体験型のイベントを開催したりすることで、宿泊そのものが特別な思い出になるように演出します。こうした工夫で、お客様の滞在がただ泊まるだけではなく、心に残る体験につながっていきます。
④デジタルマーケティング・プロモーション
SNSや公式のWEBサイトを通じてホテルの魅力を発信することも企画職ならではの業務の一つです。
例えば、期間限定のキャンペーンをSNSで告知したり、宿泊プランの魅力を紹介する投稿をしたりすることで、より多くのお客様に情報を届けることができます。
さらに、お客様からの口コミをチェックすることで、サービスの改善につなげるための情報の収集や分析を行うことも求められます。
⑤施設のブランディング戦略
ホテル全体のブランドを作りあげ、他の施設との差別化を図ることも求められます。
例えば、地域に根差したホテルとして地元の文化を全面に打ち出したり、ラグジュアリーホテルとして高級感を演出する方針を掲げたりと、施設の個性を明確にする取り組みが挙げられます。
このように、ブランドの方向性を定めることで、お客様から「このホテルに泊まりたい」と思ってもらえる存在を目指しています。
⑥収益管理とコスト最適化
宿泊率や売上のデータをもとにして、施設の収益を最大化するための戦略を立てることもあります。
例えば、繁忙期と閑散期で宿泊料金を調整したり、業務の効率化によってコストの削減を図ったりすることで、利益率の向上を目指します。
こうした収益管理の視点は、ホテルの安定的な運営に欠かせない要素です。
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ホテルのイベント企画例をご紹介!

ホテルの企画職が気になっている方にとっては、実際に評価されているのがどんなアイディアなのかが気になりますよね。
ここでは、実際の企画例やその方向性をご紹介します。
非日常感をプラスする期間限定のポップアップ
期間限定の特別な体験は、それだけで魅力を感じるという方も多いのではないでしょうか。ホテルで開催される期間限定イベントや、ポップアップの企画は、話題作りや新規顧客の獲得に効果的な施策の一つです。
例えば、ハロウィンやクリスマスのような季節のイベントに合わせて館内を装飾し、限定メニューを提供することで、記憶に残る演出ができます。
また、有名シェフによるスペシャルディナーや短期間だけオープンするレストランのような「今しか体験できない」という特別感のある企画に惹かれる方も多いはずです。さらに、アートの展示やライブパフォーマンスなど、文化性の高いイベントでは、ホテルを泊まる場所から発信の場所へと進化させることもできます。
特別な宿泊体験を提供するコラボレーション
映画やアニメ、小説などの世界観を再現したコンセプトルームも人気で、装飾やアメニティ、食事までテーマを統一することで没入感ある宿泊体験を提供できます。作品とのコラボレーションも有効で、人気ブランドとのタイアップや地域の企業・飲食店との連携により特別感と地元らしさを演出しながら、相互に魅力を引き立てます。
SNSでの拡散を意識したフォトスポットやリピーターを意識したストーリー性のある宿泊体験、話題性と継続的な集客を両立する工夫も重要です。ターゲット層に合った価格やサービス、発信方法などを一貫して設計することでより高い集客効果が期待できます。企画の実例をいくつかご紹介しますね。
【世界観で魅せるコンセプトルーム】
〇ポケモンをテーマにした部屋
ぬいぐるみの装飾や宿泊者限定プレゼントのオリジナルグッズ
〇上野動物園近くのホテルのパンダルーム
クッションやまくら、マグカップまでパンダ柄で統一された子どもから大人まで楽しめる空間
〇宇宙旅行や深海体験など非日常をテーマにした演出
〇茶道や華道など、日本の伝統文化を味わえる体験付きの客室
【タイアップで広がる可能性】
〇映画の世界観を再現した宿泊プラン
登場する料理や出演俳優ゆかりのシャンパンを提供
〇有名ブランドのコスメやファッション雑貨をアメニティとして導入
〇地元企業・飲食店と連携した「その土地ならではの体験」プラン
地域活性化への貢献と集客を両立
〇映画の半券提示でタイアップ限定のコース料理の割引
【ターゲット別の特化型宿泊プラン】
〇インフルエンサーを起用したSNSプロモーションで潜在層へのアプローチ
ホテル側のコンセプトと相手の世界観の親和性が高いと、双方にメリットのある関係性を築くことができる
〇女性グループ向けに、スパ・アフタヌーンティー・プロカメラマンによる写真撮影付きプラン
〇ペットと一緒に泊まれる宿泊プラン
〇リモートワークと休暇を両立できる「ワーケーションプラン」
企画職の勤務時間や休日は?

ホテルの企画職は、本社勤務になるケースが多く、基本的には土日休みの勤務形態になります。現場のシフト勤務とは違い、決まったスケジュールで働けるため、ワークライフバランスを重視したい方におすすめです。
ただし、ホテルによっては企画職や事務職であってもシフト勤務を採用している場合があります。応募前に勤務形態をしっかりと確認し、自分のライフスタイルに合ったホテルを選ぶようにしましょう。
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ホテルの企画職は未経験でもなれる?

ホテル業界は他業種からの転職者も多く、未経験者を歓迎する傾向がありますが、企画職は少し違ってきます。いきなり企画職に就くのはハードルが高く、サービススタッフなど現場での経験を積んでからステップアップするケースもあります。サービススタッフとして働きながら、企画の業務にも携われるマルチタスクのポジションを選ぶという選択肢もあります。
現場での接客経験を通じてお客様のニーズやホテル運営への理解を深め、それを土台にして企画の視点を養うことが求められます。そのため、まったくの未経験からホテル業界で企画職に就くのは難しく、まずは現場経験を積むのがいいでしょう。
ただ、柔軟な対応力やホスピタリティあふれる接客など、他業界で培ったスキルを活かすことはできるので、ホテルの仕事に興味があるという方は、まずは別の職種からでも一歩を踏み出してみることをおすすめします。
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他業界とはどう違う?ホテル業界の企画職

ホテル業界の企画職は、他業界の企画職と共通するスキルが求められる一方で、この業界ならではの特性や魅了もたくさんあります。ここでは、ホテル業界特有の企画職の特徴について、他業界との違いにも注目しながら詳しくご紹介していきます。
①その場でお客様の満足度がわかる
ホテル業界の企画職ならではの魅力の一つが、自分のアイディアや企画がお客様にどのように届いているのかを、現場で直接感じられる点です。
例えば、家族向けの宿泊プランを企画した際に、笑顔で滞在を楽しんでいる姿を目にしたり「また来たい」といった感想をその場で聞けたりすることがあります。こうした体験を通じて、自分の仕事が誰かの笑顔や思い出作りに貢献していることを実感できます。
一方、他業界の企画職では、顧客の反応は売上データやアンケートなどを通じて把握するのが一般的で、結果が見えてくるまでに時間がかかることが少なくありません。この反応の速さは、ホテル業界ならではの大きな特徴と言えますね。
②地元とのつながりがある
ホテル業界の企画職は、地域の観光資源や文化を活かした企画を行う機会も多く、地元と深い結びつきがあるのが特徴です。
例えば、地元の食材を取り入れた料理付きプランや、地域のお祭り・イベントに合わせた宿泊プランを企画することで、施設だけではなく地域全体の魅力を発信する役割も担っています。
全国展開のサービスや商品を扱うことが多い他業界では、地域と連携した企画が仕事の中心になるケースはそれほど多くありません。こうした地域密着型の視点は、地元との結びつきが強いホテル業界ならではのやりがいの一つです。
③他部門との連携体制
ホテルの企画職は、フロントやレストラン、施設管理など、様々な部門と連携しながら企画を形にしていくこともあります。
例えば、季節ごとのイベントを実施する際にはフロントスタッフと連携してスムーズな案内が行えるようにしたり、レストランと協力して料理の提供タイミングを調整したり、細やかな連携が欠かせません。
こうしたチームワークを通じて、施設全体でお客様の満足度を高めていくことが、ホテルの企画職ならではのやりがいにつながっています。
④スピード感のある企画運営ができる
ホテル業界では、季節やイベントに合わせて、短期間で企画を立ち上げて実行に移すスピード感が求められます。
例えば、夏休み向けの宿泊プランであれば、2ヶ月ほど前から準備をはじめ、タイミングを逃さずに販売をスタートさせるという流れになります。
他業界の場合は、商品の企画から開発までに数ヶ月~数年をかけることも珍しくなく、結果が出るまでに時間がかかる傾向があります。このように、企画の立案から成果が見えるまでのスパンが短いのは、ホテル業界ならではの特徴です。
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今回は、ホテルの企画職になるための方法や仕事内容、他業界との違いについてご紹介してきました。企画職では、多彩なスキルが求められますが、その分感じられるやりがいは大きいです。
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