転職をする際には、職場を円満に退職したいですよね。そう考えてはいても、引き止められたときにどう対応するといいのか、不安に感じているという方も多いのではないでしょうか。
この記事では、退職交渉で引き止めを受けた際の対処法や注意点、スムーズに退職するために押さえておきたいポイントなどを解説していきます!
ホテル・ブライダル正社員求人
目次
【退職交渉の心得】円満退職へのステップ

退職を決意し、退職交渉を始めることは、誰にとっても勇気のいる一歩です。引き止めにあうと気持ちが揺らいだ里、交渉の難しさに戸惑ったりすることがあるかも知れません。だからこそ、退職を決めてからは事前の準備がとても大切なのです。
まずは自分の退職理由や、転職することのメリットをしっかりと整理しておきましょう。なぜ転職という選択をしたのかを明確にしておくと、交渉の場でも自信を持って対応できるようになりますよ。また、引き止められたときの対応もイメージしておくことで、落ち着いて対処することがきるようになります。
たとえ上司や同僚があなたの決断を受け入れてくれなかったとしても、自分のキャリアのために必要な一歩であることを忘れないでください。
退職の意志を伝えるときは、感情的にならず、冷静に毅然とした態度で向きあうことが大切です。「退職したい」という気持ちが揺らぎそうになったときは、転職を決意した理由や、自分が望む将来の姿を思い浮かべてみましょう。
円満退職を目指すためにも、引継ぎや業務の調整を丁寧に行い、退職後も良好な関係を築けるように心がけてくださいね。
企業が退職を引き止める理由とは?

企業が退職希望者を引き止める理由はいろいろありますが、その理由を知っておくことで、退職の交渉がスムーズに進めやすくなります。ではどんな理由があるのでしょうか。
人手不足を避けるため
引き止めの理由のほとんどは人手不足であることです。特にホテル・ブライダル業界は慢性的な人手不足に悩まされているため、一人の退職が職場全体に大きな影響を及ぼすことがあります。
退職後に新たな人材を採用できたとしても、すぐに同じレベルで業務をこなせるわけではないので、教育や引き継ぎには時間とコストがかかります。専門性が高かったり、経験が必要だったりする業務ほどその負担は大きくなりますよね。
さらに、残された社員の業務負担が増えてしまうこともあり、連鎖的に退職者が出るリスクもあるため、企業はできるだけ今いる人材にとどまってもらいたいと考えるのです。
その結果、退職自体を止めることが難しくても「退職時期の調整」という形で引き止めに入るケースもありますよ。
職場全体への影響を防ぎたいから
一人の退職が、他の社員の退職を誘発するケースもあります。
「あの人が辞めたなら、自分も…」といった心理が職場に広がってしまうことを懸念しているのです。職場全体の士気や安定を守るためにも、退職者をできるだけ出さないようにしたいという意図があります。
上司の評価に関わることがある
引き止めの理由は、必ずしも会社全体の事情であるとは限りません。直属の上司の社内評価が関係していることもあります。部下の退職が「マネジメント不足」とみなされることを避けるために、強く引き止めるケースがあります。
このような場合は、論理的な理由ではなく「辞められると困る」「残ってほしい」というような、感情的な言葉で引き止められることが多いですが、冷静に状況を見極めることが大切です。
本人のキャリアを思って引き止める場合
企業が退職を引き止める理由の中には、あなたの能力や将来性を評価しているからという理由もあります。これまでの仕事ぶりや人柄に信頼を寄せ、今後も重要な役割を担ってほしいという期待があるため、熱心に引き止められることもありますよ。
また、すべての引き止めがネガティブな理由とは限りません。上司があなたのキャリアを真剣に考え「もう少し経験を積んでからの方がいい」「現職でスキルを磨いたほうが将来のためになる」といったアドバイスをくれることもあります。
こうした引き止めは、あなたの成長を願う前向きなメッセージです。
自分のキャリアにとって何が裁量であるかを冷静に判断することが大切ですよ。
ホテル・ブライダル正社員求人
退職を引き止められたときに気をつけたいこと

退職交渉で引き止めにあった場合、スムーズに話を進めるために、いくつかポイントをおさえておくことが必要です。「これだけは避けたい」というポイントをご紹介します。
- 感情的にならない
- 退職の計画をしっかり立てる
- 優柔不断な態度を取らない
- 職場への不満を理由にしない
退職交渉をスムーズに進めるためには、冷静さを保つことが大切です。感情的になって不満をぶつけたり、対立的な態度を取ってしまうと話し合いがこじれるだけでなく、今後の人間関係にも影響を及ぼす可能性があります。あらかじめ準備を整え、落ち着いた姿勢で話を進めるように意識しましょう。
また、退職のタイミングや手続きの進め方も計画性が求められます。法律上は2週間前の申し出で退職は可能ですが、職場の状況や引継ぎを考慮すると、事前にスケジュールを立てて会社と相談しながら進めるほうが円満退職につながりますよ。
退職の意志を伝える際には優柔不断な態度を取るのは避け「退職の意志は固い」という姿勢を明確にすることが重要です。例えば「すでに転職先が決まり、入社準備を進めている」など、具体的な状況を伝えることで、会社側も納得しやすくなります。
さらに、退職理由について「給与が低い」や「職場の人間関係に不満がある」というようなネガティブな要素はできるだけ避けましょう。そのような理由は、条件改善によって引き止められる可能性があるので、前向きで納得されやすい伝え方を心がけるといいですよ。
引き止めにあわないようにするには?

退職交渉をスムーズに進めるためには、しっかりと事前準備をすることが必要です。引き止められることなく、円満に退職するために、いくつかのポイントを意識すると良いでしょう。
①退職の申し出は就業規則に従う
退職を決めたら、まずは就業規則を確認しましょう。ほとんどの会社では「退職は1ヶ月前までに申告」など、退職に関するルールが明記されています。その規定を踏まえたうえで、退職希望日を逆算して決めましょう。法律上は民法第627条により退職の2週間前までに届け出れば退職は可能です。また、憲法第22条の「職業選択の自由」により、基本的に退職は本人の自由意志で認められます。
円満退職を目指すのであれば、会社のルールに従って1ヶ月半~3ヶ月前までに申し出るのが理想的ですよ。
もし転職先の入社日までの期間がない場合は、就業規則上難しいことは承知しているということを伝えた上で交渉すると、柔軟に対応してもらえる可能性もあります。
②事前準備をして引継ぎをしっかりと行う
退職の意志を申し出る前に、引き継ぎの準備をしっかりと整えておくことはとても重要です。業務の流れや使用している文書・資料、そして顧客や取引先のリストなどを整理し、後任者がスムーズに業務を引き継げる状態にしておきましょう。会社が退職を引き止める理由の一つに、業務への影響を抑えたいという考えがあります。そのため、引き継ぎの体制がしっかりと整っていることを示せば、上司も安心し、退職の意志を尊重してもらえる可能性が高くなります。
まだ後任が決まっていない場合でも、業務内容や手順、注意点などをマニュアル化しておくとさらに有効です。引き継ぎが円滑に進むことを伝えられるだけでも、引き止められるリスクは低くなりますよ。
退職交渉の鍵は、事前準備と冷静な対応です。退職の理由を明確にし、就業規則を踏まえたうえで退職の申し出をすること、スムーズな引き継ぎを意識することで、引き止めにあうことなく円満退職に近づけます。
③なぜ辞めるのかをはっきり伝える
退職を決意していることを伝えるために、退職理由は事前に整理してはっきりと伝えましょう。重要なのは、個人都合として伝えることです。会社への不満を理由にすると「改善するから残ってほしい」と引き止められる可能性が高くなります。例えば、キャリアアップを目指したい、新しい分野に挑戦したいなど、前向きな理由を伝えることで退職の意志をスムーズに受け入れてもらいやすくなりますよ。
また、大企業の場合は直属の上司がさらに上席や人事担当者に報告するケースもあるため、上司が社内交渉をしやすいように会社が納得しやすい理由を伝えることもポイントです。
④職場の負担を考慮して退職時期を選ぶ
退職希望日が繁忙期だったり、進行中のプロジェクトがあったりする場合は、引き止められる可能性が高くなります。そのため、退職時期を選ぶ際にはできるだけ職場への負担が少ないタイミングを選ぶことが検討しましょう。引き継ぎがしやすい時期に退職することで、スムーズに退職できるだけでなく、後任者の負担も軽減できますよ。
退職を決めた後、これらの準備をしっかりと行うことで、退職交渉が円滑に進み、退職した後もいい関係を保つことができます。
【ケース別】円満に退職するための引き止め対処法【やり取り例文】

退職交渉の際に、引き止めにあってしまった場合の対処法をケース別にご紹介します。
交渉では、どんな状況であっても冷静に対応すること、退職の意思を貫くことが大切です。
①退職を強く反対された場合
退職届を受け取ってもらなかったり、話をまともに聞いてもらえなかったりすることがあるかも知れません。そんなときでも、曖昧な対応はせず、退職の意志をしっかりと伝えることが大切です。
無理な引き止めに流されず、冷静に誠意をもって対応していくことが、納得のいく退職につながりますよ。
対応策
・上司に「退職届は受理できない」「考え直してほしい」と言われても、意志が変わらないことを伝えましょう
・どうしても受理してもらえない場合は、さらに上の上司や人事部などへ直接相談する
・出張やリモートなどで直接話すことが難しい場合は、メールや社内ツールで退職の意志を伝える
・それでも取り合ってもらえない場合は、人事部に直接退職届を提出することを検討する
新しい職場での挑戦を通じて、キャリアをさらに成長させたいと考えています。自分の将来にとって、重要な選択だと感じており、この機会を逃したくないです。
私が退職することでご迷惑をおかけすることは承知しています。
しかし、自分の理想とするキャリアに挑戦できる機会を得ることができました。勝手なことを申し上げて恐縮ですが、○月末での退職を認めていただきたいです。
②「あなたの代わりはいない」と言われたとき
人手不足やこれまでのあなたの評価の高さを理由に引き止められることもあります。ここで情に流されてしまうと、退職希望日に退職できなくなってしまうかも知れません。不安をあおるような言葉に迷わず、自分の意志をしっかりと持つことが大切ですよ。
どれだけ周囲が心配してくれていたとしても、自分のキャリアをどう進むか決められるのは自分自身です。
後悔のない選択ができるよう、意識しておくといいことをご紹介します。
対応策
・「辞めることで職場に迷惑をかける」と思わず、自分のキャリアを最優先する
・「考える時間をください」と一度距離を取ることで、感情的にならず冷静に判断する
・代わりの人が見つかるまで待ってほしいという曖昧な引き止めに流されず、退職時期を明確に伝える
また「ここまで育てたことに恩を感じないのか」といった言葉をかけられることもありますが、退職は個人の権利です。これまでの感謝の気持ちはしっかり伝えつつ、自分の未来に目を向ける姿勢を大切にしましょう。
そう言っていただけるのはありがたいですし、迷いがなかったわけではありません。ただ、自分にとって“挑戦すること”こそが一番の成長につながると信じています。
もちろん、今の環境で得られるものが多いことも理解しています。ただ、長い目で見たときに、自分の目指すキャリアに近づくには、今のタイミングで新しい環境に身を置くことがベストだと判断しました。
③昇進・異動・希望のプロジェクトを提示される場合
「異動を考える」「昇進の可能性がある」など、待遇面での条件を提示されて引き止められるケースもあります。ただし、それが本当に実現する保証はありません。その場限りかも知れない言葉に期待しすぎるリスクもあります。どんなに魅力的な提案だったとしても、退職の意志が固まっているのであれば、自分の気持ちを大切にしましょう。
対応策
・昇進や異動で、今感じている根本的な不満が解決されるのかを見極める
・自分が本当にやりたいこと、実現したい働き方に近づけるのかを冷静に判断する
・残った場合も「会社を辞めようとした人」として見られ、職場で気まずくなる可能性も考慮する
その場の感情や上司の言葉だけで判断するのではなく「この選択が自分の将来にどうつながっていくか」を軸に考えましょう。
ご提案いただき、ありがとうございます。評価していただいていることは感謝しています。
ただ、私が転職を決意したのは、給与や待遇の問題ではなく、自分が目指したいキャリアに挑戦したいという強い思いがあります。
仮に条件がよくなったとしても、本当にやりたい続けたい仕事を考えた時に、やはり転職を決意した理由は変わりません。迷惑をおかけしてしまうのは心苦しいですが、○月末で退職したいと思います。
④退職時期を引き延ばされる場合
「後任が決まるまで待ってほしい」と言われることがありますが、後任者の手配は会社の責任です。
対応策
・退職の意志を伝える際に、明確に退職希望日を伝える
・必要な引継ぎを行い、退職後も業務が滞らないようにする
・転職先の入社日に遅れないように注意する
現職の会社の都合に合わせすぎると、せっかく決まった転職先との信頼関係を損なう可能性もあります。
引き継ぎがスムーズに進むように、業務内容の整理やマニュアル作成も含めて準備を進めています。
ただ、後任の方が決まるまで退職を伸ばすことは難しいです。予定通り、○月末を最終勤務日とさせていただきたいです。
⑤転職のリスクを強調される場合
「今のスキルでは、転職してもうまくいかない」「ここで退職することを、後悔するかも知れない」というような言葉で不安をあおられるケースもあります。上司の心配も理解できますが、同時に自分が成長したい、挑戦したいという気持ちも大切にしなくてはいけません。
「スキルが通用しない」という意見には、過去の実績や転職することでこれからどのように成長していくかを冷静に説明しましょう。これまでの経験を活かして、次のステップではさらに成果を上げられる自信があることを、前向きに伝えるといいですよ。
対応策
・「転職の目的」を思い出し、気持ちがぶれないようにする
・転職先の企業をしっかりリサーチして決めたことを再確認する
・相手は転職先のことを知らないため、意見は参考程度に受け止める
何を言われても退職の意志が揺らがないよう、自分の選択に自信を持ちましょう。
今までたくさんの経験を積んできましたので、感謝の気持ちは変わりません。
ただ、これまでの経験を糧に、次のステップに進んでより成長したいという思いが強くなりました。不安よりも、前に進みたいという気持ちを大切にしたいと考えています。
⑥退職交渉に応じてもらえない場合
上司が取り合ってくれない場合は、さらに上の上司や人事部に直接相談しましょう。
なぜ転職したいのか、自分が目指すキャリアを実現するためには、この決断が必要なものであることなど、退職理由を前向きに伝えましょう。自分の目標に対する熱意やビジョンをしっかり説明することで、上司にとっても理解がしやすくなります。
また、引き止めが激しく、退職を妨げられそうな場合は、労働基準監督署などの相談コーナーへの相談を考えるのも一つの手段です。専門家のアドバイスを受けることで、トラブルを未然に防ぐことができますよ。
対応策
・退職交渉のやり取りを、メールなどで証拠として残す
・直属の上司が応じない場合は、さらに上の上司や人事に相談する
・退職の相談をしていたことを記録したうえで、正式に人事に申し出る
基本的に、会社が一方的に退職を拒否することはできません。
今の環境にも感謝していますが、これまでの経験を活かしながら、ずっと関心のあった分野で新しい役割に挑戦できるチャンスを得られたため、思い切って一歩踏み出すことにしました。
○月末での退職を認めていただきたいです。
【年代別!】退職交渉をスムーズに進めるためのポイント

退職の引き止めに合った場合、年代によって効果的な断り方が変わってきます。ここでは、年代別の対応をご紹介します!
【20代のポイント】
20代で退職を決意し、比較的短い期間で辞める場合は、上司だけでなく先輩や同僚からも引き止められることがよくあります。
「その経験で転職先で通用するの?」という言葉をかけられることがあるかも知れません。そんなときに大切なのは、自分の意志をしっかりと伝えることです。なぜ転職を考えたのか、これからどんなキャリアを築いていきたいのか、自分の言葉で伝えましょう。さらに、目指している資格や身に付けたいスキルなど、具体的な目標を伝えることで理解が得やすくなりますよ。
【30代のポイント】
30代での退職では「重要な戦力だから、簡単に退職届を受理できない」と言われてしまうことがあります。この年代は、これまでの経験やスキルが豊富になっているため、会社としても手放したくない存在と見られています。退職がスムーズに進まないこともありますが、そんなときこそ冷静に対応しましょう。
また、30代はワークライフバランスを見直す人が増える時期でもあります。たとえば「より柔軟な働き方をしたい」というような、自分の考えを丁寧に伝えることで、理解を得られることがあります。自分の価値観や将来像をしっかりともって、前向きな姿勢で話すといいですよ。
【40代のポイント】
40代になると、管理職についているという方も多く、退職による影響は小さくありません。後任の調整やチーム全体の体制に関わるため、退職の意志を伝えると、引き止められるケースがほとんどです。その分、退職するために慎重な準備と冷静な対応が求められます。
特にリーダー職や役職に就いている方の場合は、退職のタイミングや職場の繁忙期などのスケジュールにも配慮することが大切です。無理のないスケジュールくを立てたうえで、譲れる部分はできるだけ企業側の希望に合わせると円満退職に近づくことができますよ。
ホテル・ブライダル業界での転職ならバリプラNextがおすすめ
今回は引き止めにあった際の対策や退職交渉についてをご紹介してきました。退職の意志を伝えるときや交渉のとき、どちらも自分の意志をしっかりと持って誠実に対応することが大切ですね。
自分の実現したいキャリアのために、転職情報サイト「バリプラNext」の転職エージェントサービス(無料)で、あなたにぴったりの求人をご紹介します!登録は無料なので転職を考えている方は、ぜひご覧ください。

