レストランが提供するのは、おいしい料理だけではありません。どんなに料理のおいしいレストランでも、接客態度が悪いとお店の評判はよくならないですよね。
それでは、レストランでサービスを提供する際に、どのようなことに気を付ければいいのでしょうか。今回は、飲食店への転職を検討している方に向けて、レストランサービスの基本についてご紹介していきます。
いま飲食店で働いている方も、日々の接客の参考にしていただけると幸いです!
目次
レストランサービスの基本を抑えてリピーターを増やす
レストランを経営していく上で、お客様に快適な食事時間を提供するためには、料理のクオリティの追求と質の高い接客サービスの両立が必要不可欠です。
質の高いサービスが提供されることで、お客様は料理の味や雰囲気を存分に楽しむことができます。また、一人ひとりのお客様に合ったきめ細かい心配りをプラスすることで満足度が向上してリピートしていただける可能性も高まります。
レストランごとに特色はありますが、基本的な接客マナーに関してはどこでも共通しています。基本がしっかりしていない接客だと、お客様に満足していただけない可能性が高くなるからです。お客様に「また来たい」と思っていただけるようなレストランにするには、基本的な接客マナーを徹底し、常に質の高いサービスを提供することが重要です。
この点を意識しながら、日々の業務に取り組むようにしましょう。基本的なマナーがしっかりしているだけで、お客様に与える印象は大きく変わります。
では、レストランでの接客サービスで抑えておきたい基本的なポイントとはなんでしょうか。
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知っておきたい! レストランサービスの基本のポイント
一流のレストランサービスを提供するためには、まずは接客の基本をしっかりと身に付けることが大切です。一度基礎を覚えてしまえば、どんな業態のサービスでも応用ができる強みにもなりますよ。
レストランサービスでも基本をしっかりと抑えておけば、お客様のご要望に合わせた柔軟なサービスができるようになります。経験がなくて不安だという方も、まずは基本を大切にすることを意識しましょう。
では、基本のポイントを一つずつご紹介していきます!
①礼儀とマナー
レストランで働く上で、基本的な礼儀やマナーが身に付いていることは必須になります。これらが身に付いていない場合、お客様に不快な思いをさせてしまう可能性があります。
例えば、料理は左側から、ドリンクは右側から提供するのが一般的です。料理を提供する際にお客様の利き手と反対側から提供することで、お食事中に手が触れるリスクを減らすことができます。左利きのお客様にも柔軟に対応することができれば、より丁寧な印象を与えることができますね。
料理を置く際にも、盛り付けを崩さないように静かに置くことが大切です。丁寧な所作を心がけることで、お客様の満足度向上にもつながります。
お皿を下げるタイミングは、ナイフとフォークが揃えられているのが目安になります。こうしたちょっとしたマナーを知っているだけで、お客様に心地よいお食事の時間を提供することができます。
②食材や料理に関する知識
レストランでのサービスにおいて、食材や調理方法の知識があるとワンランク上のサービスを提供することができます。
温かいうちに食べていただくほうがおいしい料理や、冷ましてから食べることでより楽しんでいただける料理など、特徴を理解していることで状況に応じてお客様に提案できますよね。お客様におすすめのメニューをご提案するときにも、知識があれば信頼感を与えることになります。
より良いサービスを提供するために、積極的に学び、知識を深めていきましょう。
③身だしなみと立ち居振る舞い
レストランサービスでは、身だしなみや立ち居振る舞いがお店全体の印象を大きく左右します。清潔感のある制服の着こなしは基本中の基本です。第一印象が良ければ、お店全体の評価にもつながりますよ。
・声が小さくて何を言っているのかわからない
・面倒そうな態度をとる、面倒そうな表情をする
・目が合わない、合わせようとしない
・姿勢が悪く、だらしなく見える
・お辞儀が形だけで心がこもっていない
・スタッフ同士の会話がうるさい
・お客様の前でスタッフの指導をする
このような対応をしてしまうと、お客様に与える印象が悪くなってしまいますよね。一度悪印象を覚えてしまうと、挽回するのは大変です。接客中はお店全体の雰囲気をよく保つためにも、常に「見られている」ということを意識しましょう。
身だしなみに関しても、スタッフ全員で統一感ある見た目を意識することで、信頼感と安心感を提供できます。
お客様を席にご案内し配膳や片付けをする裏に、自分の接客態度がお店の評価に直接影響しているということを忘れないようにしなくてはいけません。その意識を持つことがいい接客につながり、お店全体の評判を高めることにもなりますよ。
④言葉遣い
簡単なようでいて難しいのが言葉遣いです。自分では丁寧に話しているつもりでも、間違った表現を使っていると意図せず失礼な印象を与えてしまうことがあります。特に、接客時によく使う敬語には、間違いやすい言い回しがいくつかあります。
誤 | 正 |
こちらのお席にお座りください。 | こちらの席におかけください。 |
メニューのほうをお持ちしました。 | メニューをお持ちしました。 |
ご注文は以上でよろしかったでしょうか? | ご注文は以上でよろしいでしょうか? |
1,000円からお預かりいたします。 | 1,000円お預かりいたします。 |
お飲み物になります。 | お飲み物でございます。 |
どちらにいたしますか? | どちらになさいますか? |
上記の表現は代表例になりますので、自分の言葉遣いに自信がない場合は、事前に調べたり、職場の先輩に相談して確認したりすると安心です。先輩が接客する様子をみながら、身のこなしや言葉遣いを真似るのもいいですよ。
あらかじめ準備をしておくと、いざというときにも落ち着いて対応できるようになります。まずは慌てないようにすることを心がけましょう。
⑤オーダーの受け方
オーダーを取る際には、お客様から声をかけられるまえに伺うのが理想です。混雑時には難しい場合もありますが、できる限りお客様の注文のタイミングを察知するように心がけましょう。
また、オーダーを受けたときにはメニューの復唱が重要です。手間に感じることがありますが、オーダーミスを防ぐことでかえって効率的に対応できます。お客様に安心感を与えるためにも、忘れずに復唱するようにしましょう。
飲み物やデザートの提供のタイミングについてもお客様のご希望を確認しましょう。こうした細やかな対応は、お客様の満足度を高めるポイントでもあります。
⑥協調性・観察力・洞察力
レストランサービスでは、お客様だけでなく、スタッフ同士でのコミュニケーションも大切です。キッチンとホールでの連携が必要な場面が多々あるため、お互いに気を配ることで協調性が磨かれていきます。
また、お客様のニーズを正確に把握するために、状況を読み取り先回りして動くことも求められます。例えば、注文したいお客様がいるのに、近くにスタッフがいなければお待たせしてしまうことになります。お客様の様子を伺いながら注文のタイミングを察知して、こちらからお声がけすることができれば、スムーズな提供にもつながります。
ホールにいる間は、常に「お困りごとはないか」「今求められていることは何か」を意識し、先回りして動くことを心がけましょう。細やかな気配りは、お客様にとって満足度の高いサービスの提供につながります。
⑦おもてなしの精神
おもてなしの精神、つまりホスピタリティとは、ただ指示された業務をこなすだけではなく、心をこめておもてなしすることや歓待の精神を大切にすることです。
美味しい料理を提供することはもちろん重要ですが、それだけではなく、お客様は心地よいサービスを期待しています。
例えば、寒い日にさりげなくひざ掛けをお渡ししたり、予約されたお客様に感謝を込めたメッセージカードを添えたりすることが挙げられます。こうした小さな気遣いは、お客様の心に響くのです。
お客様の気持ちに寄り添い、おもてなしの精神をもって接することで、満足度の高い特別な時間を提供できるように心がけましょう。
⑧接客8大用語
接客8大用語とは、お客様への応対で頻繁に使う代表的な8つのフレーズのことを言います。これらを覚えておくだけで、基本的な接客スキルを身につけることができます。
どの言葉も日常的に使う場面が多い言葉でもあるため、しっかり覚えておくといいですね。
①いらっしゃいませ
②ありがとうございます
③かしこまりました
④失礼いたします
⑤恐れ入ります
⑥少々お待ちください
⑦お待たせいたしました
⑧申し訳ございません
語学力を磨いてサービスの質を高める
レストランサービスの基本のポイントについてご紹介してきましたが、よりサービスの質を高めるためには、語学力が役に立ちます。近年はインバウンド需要の増加により、これまでより英語や中国語などのスキルを持った人材の需要が高まっています。
インバウンド需要についてはこちらから↓
インバウンドとは? インバウンド需要回復後のホテル業界に求められること
基本を抑えたうえで語学力も身に付いていると、接客の幅をぐっと広げることができます。特にレストランでは、外国籍のお客様が来店されることも多く、コミュニケーションがスムーズに進むことでお客様の満足度をあげることができます。
宗教上の理由で食べられないものがあるなど、お客様のご要望を正確に把握しなくてはなりません。語学力がない場合、この確認を取ることが難しくなり、円滑なサービスに支障をきたしてしまう可能性があります。
語学力に自信がない場合でも、あらかじめレストランで必要になる単語やフレーズなどを最低限覚えておくと役に立ちますよ。完璧に話せなくとも、ちょっとした努力でお客様により良いサービスを提供することができるようになります。
接客で使える英語・中国語について知りたい方はこちらから↓ご確認ください。ホテル業界での接客フレーズではありますが、レストランサービスでも使える言葉があるので、ぜひ参考にしてくださいね!
ホテル業界の転職に英語力は必要? ホテル勤務で使われる接客英語もご紹介!
ホテル勤務する時に知っておきたい中国語の単語&接客フレーズをご紹介!
QSCAとは? お客様の満足度をあげるために抑えておきたいこと
レストランなどの店舗運営において大切な考え方に「QSCA(読み方:キューエスシーエー)」というものがあります。この考え方はお客様の満足度に大きな影響を与える基本的な要素なので、しっかり確認しておきましょう。
Quality(品質)
・常に料理の品質は安定しているか
・温かい料理は温かく、冷たい料理は冷たい状態で提供されているか
・料理の盛り付けが乱れていないか
・料理のボリュームが価格と見合っているか
Service(サービス)
・入店時の挨拶や席への案内が丁寧で感じがいいか
・スタッフからお客様への気配り、心配りができているか
・スタッフの表情は笑顔で好印象を与えるものか
・料理の提供時間は適切か
Cleanliness(清潔)
・店舗のエントランスや外周が清潔に整えられているか
・店内の隅々まで清掃が行き届いているか
・スタッフの身だしなみが清潔で整っているか
・トイレが常に清潔に保たれているか
Atmosphere(雰囲気)
・店舗のコンセプトと店内の雰囲気が合っているか
・店内のBGMや照明が店舗のコンセプトと調和しているか
・店頭のメニューやショーケースが魅力的に見えるか
・食器やグラスが料理や飲み物の美しさを際立たせているか
この考え方を共有しておくことで、店舗のサービスや雰囲気も含めてお客様へ与える印象はよくなりますよね。
日頃から気を付けておきたいことでもあるので、常に意識できるようになるといいでしょう。
マニュアルを活用して質の高いレストランサービスを共有!
レストランサービスに統一感を持たせるために、マニュアルの整備は不可欠です。接客の丁寧さはもちろんですが、言葉遣いや料理の提供方法に一貫性を持たせることで、スタッフ全員が同じ基準に基づいてサービスを提供できるようになります。
新人スタッフが加わるたび、全てのルールや手順を口頭で説明するのは伝達漏れのリスクもありますし、時間もかかりますよね。そんなときにマニュアルがあれば、具体的に分かりやすい形で情報を共有できるので、教育がスムーズになって全員が必要なスキルや知識を身に付けやすくなります。
もしマニュアルが用意されていない場合は、作成を検討してみてはいかがでしょうか。マニュアルを活用することで、サービスの質の向上や業務の効率化にもつながりますよ。
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今回は、ホテル・ブライダル業界から飲食店に転職したい方に向けて、レストランサービスの基本についてご紹介してきました。
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