すべての人が楽しめるような旅行を目指す「ユニバーサルツーリズム」をご存知でしょうか？ ホテル業界でも、ユニバーサルツーリズムの取り組みが進められています。そこで今回は、ホテル・ブライダル業界での転職を考えている方向けに、ホテル業界におけるユニバーサルツーリズムの取り組みについて、紹介します！
「ユニバーサルツーリズム」とは？
「ユニバーサルツーリズム」とは、高齢者の方や障害のある方、妊娠中の方、乳幼児を連れている方も含め、誰もが気兼ねなく参加でき、楽しめるように創られた旅行のことを言います。
かつては、旅行に行きたくても、「車椅子やベビーカーでは移動が大変」「宿泊先で入浴しづらい」「標識が小さくて見えづらい」といったことがネックとなり、断念する方も少なくありませんでした。
しかし、近年は交通手段や宿泊先のバリアフリー化などで、どんな人でも旅行が楽しめる体制作りが進みつつあります。
総務省統計局によると、日本の総人口（2022年9月15日現在推計）に占める65歳以上の高齢者の割合は、29.1%で過去最高。障害者の方、妊娠中の方、乳幼児を育てる方を含めると、日本人口の3分の1は、ユニバーサルツーリズムの対象者といえ、今後はますますユニバーサルツーリズムの市場規模は大きくなるでしょう。
支援やサポートを必要とする方々が安心して旅行できる環境が整えば、旅行を共にする家族や友人の負担も軽減され、より多くの人が旅行を楽しめるようになり、観光や宿泊の需要増加も見込めます。
ユニバーサルツーリズムの普及は、宿泊施設の売上拡大、ホテル業界の発展にもつながります。
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ホテル業界におけるユニバーサルツーリズムの取り組み
では、ホテル業界では、ユニバーサルツーリズムの取り組みとして、具体的にどのようなことを行なっているのでしょうか？ 代表的なものを紹介します。
①施設内のバリアフリー
まず、施設内のバリアフリーが挙げられます。「ハード面」の整備です。
【共用部分】
- エレベーターの設置
- 多目的トイレの設置
- 出入り口や通路の幅を広げる
- 段差をなくす
- 手すり、スロープの設置
- 点字、音声での案内
- 車椅子やベビーカーの貸し出し
- 案内板のイラストやロゴマークを大きくする など
【客室】
- 出入り口の幅を広げる
- 浴室、トイレのスペースを広げる
- 段差をなくす
- 手すりを設置
- 簡易ベッドの設置
- ベビーベッドやベビーチェアの貸し出し
- 筆談具の貸し出し
- 拡大鏡の貸し出し
- ドアチャイムやランプの設置
- 字幕付きテレビの設置 など
近年は、「ユニバーサルルーム」「バリアフリールーム」などの名称で、使いやすいように設計された客室を用意するホテルも増えています。
②サービスや教育体制の充足
「ソフト面」の整備として、サービスや教育体制の充足も大切になります。
- 特別食、離乳食の提供
（食物アレルギーや疾患への対応、刻み食、ミキサー食、減塩など） - 持ち込み食の加温、配膳
（レトルトの離乳食や介護食など） - ビュッフェでの取り分けサービス
- 従業員による手話、代筆の対応
- 従業員（サービス介助士などの有資格者）によるサポート対応
- 従業員を対象とした、ユニバーサルツーリズムに関する研修の実施 など
③情報発信
また、施設内での取り組み内容や問い合わせ窓口を周知するための「情報発信」も大切です。
- 公式サイトやSNS
- パンフレットや広告
- 施設内の案内板やマップ など
情報発信を行う際も、文字を大きくする、ふりがなを付ける、わかりやすい言葉を用いるなど、すべての人に理解しやすい伝え方が求められます。
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今回は、ホテル・ブライダル業界の転職活動を考え中の方向けに、ホテル業界におけるユニバーサルツーリズムの取り組みについてご紹介しました。
ホテルなどの宿泊施設への転職を希望している方は、企業研究を行う際に、「ユニバーサルツーリズムについて、どのような取り組みをしているのか？」という視点で調べてみてはいかがですか？
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