ホテル業界の転職活動を始めるにあたり、「何か資格を持っていたほうが有利になるのかな」「どんな資格があるんだろう」と気になっている方もいるのではないでしょうか? 今回は、ホテル・ブライダル業界の転職活動を考え中の方に向けて、ホテル業界の転職での資格の必要なのか、加えて、ホテル関連の資格を一覧で紹介します!
ホテル・ブライダル正社員求人
ホテル業界の転職活動に資格は必要?
ホテル業界の採用は実力・意欲が重視されるので、資格なしでもチャレンジできる職種はたくさんあります。まずは求人情報の応募条件を読み、必要資格の有無を確認しましょう。資格を持っていない場合、面接での印象や自己PRの内容がより重要になってきます。
面接や自己PRについては以下の記事をご覧ください↓
・面接を受ける時の身だしなみやマナー、気をつけたいポイントをご紹介! ホテル・ブライダル業界の転職活動
・内定を得るための年代別ポイントをご紹介! ホテル・ブライダルの転職活動
・「自己PR」では何をアピールすればいい? 作成の流れを紹介! ホテル・ブライダル業界の転職活動
とはいえ、資格を持っていても役に立たないというわけではありません。資格を持っていると、ホテル業務の知識や語学力などを客観的に証明でき、転職活動でのアピールポイントになることもあります。
ホテル業務に関する資格
ホテルビジネス実務検定(H検)をはじめとするホテル業務関連の資格は、ホテルでマネージャーや管理職を目指す際に役立ちます。資格取得にあたり、実際の実務でも必要な知識が得られるというメリットもあります。
①ホテルビジネス実務検定(H検)
ホテル実務知識の体系的理解度を測定します。
■ベーシックレベル2級、1級
〈受験対象〉ホテル業界の一般職の方、ホテル業界への就職や転職を希望する方
・年2回実施
■マネジメントレベル
〈受験対象〉ホテル業界の管理職の方や管理職を目指す方
・年1回実施
・正答率で2級、1級を認定
②マナー・プロトコール検定
社会人に必要なマナーやプロトコール(国際儀礼)の知識、技能を測定します。
■3級
・社会常識や基本的なマナーについて
・正誤問題150問
■2級
・社会人に必須のマナーについて
・選択問題40問、記述問題10問
■準1級
〈受験資格〉2級取得者
・キャリアアップを目指す方や指導する立場の方におすすめ
・選択問題50問、論述問題5問
■1級
〈受験資格〉準1級取得者
・人材育成にあたっている方におすすめ
・個人面談試験(知識、技能)
③サービス接遇検定
サービス業務におけるマナーや心構え、応対技術、対人心理の理解などを審査します。
■3級
・サービス接遇実務の初歩的理解、基本的なサービスの知識や技能
・筆記試験(選択問題、記述問題)
■2級
・サービス接遇実務の理解、一般的なサービスの知識や技能
・筆記試験(選択問題、記述問題)
■準1級
〈受験対象〉2級合格者
・面接試験のみ
■1級
・サービス接遇実務の高度な知識や技能、専門的なサービス能力
・筆記試験、面接試験
・面接試験では2人1組のロールプレイングを行う
・合格率は30%前後
④ユニバーサルマナー検定
高齢者、障害者、ベビーカー利用者、外国人など多様な人々、自分とは異なる相手の視点に立ち、行動するために必要な「マインド」や「アクション」を体系的に学び、身につけるための検定です。
■3級
・高齢者や障害者への基本的な向き合い方やお声がけ方法、各種マークについて
・試験はなく、講座(講義75分、グループワーク45分)を受講すれば認定される
■2級
・3級取得者が対象
・車椅子操作などの実践的なサポート方法、より詳しい知識
・講座(講義70分、実技研修150分)受講後、筆記試験で合否判定
■1級
・認知症対応マナー、LGBT対応マナー、ユニバーサルコミュニケーションなどについて学び、イベントや体験に参加し当事者の声に触れる
・カリキュラム受講後、レポート試験で合否判定(対象者は3級、2級取得者のみ)
⑤ホテル・マネジメント技能検定
ホテル・マネジメントに必要な知識やスキルを測定します。
・学科試験、実技試験
・いずれの級も、学科試験、実技試験の両方で正答率60%以上に達すれば合格
■3級
〈受験対象〉ホテル、旅館に勤務している人や勤務を希望している方
・作業管理視点からスキルを判定
■2級
〈受験資格〉6年以上の実務経験がある方、3級合格者で5年以上の実務経験がある方
・業務運営視点からスキルを判定
■1級
〈受験資格〉11年以上の実務経験がある方、2級合格者で6年以上の実務経験がある方、3級合格者で8年以上の実務経験がある方
・事業運営視点からスキルを判定
⑥ホテル実務技能認定
ホテル業界で必要とされる業務スキルやマネジメントスキルを測定します。
・筆記試験の得点率60%以上で合格
■初級
・ホテル業界の歴史や関連業界の動向の理解、サービス実務の理解や接客技能、ホテル業務の多方面の知識
■上級
・ホテルスタッフの身だしなみやマナー、英会話、料飲・宿泊業務やサービスの理解
ホテル・ブライダル正社員求人
語学に関する資格
TOEICをはじめとする語学系の資格は、フロントやベルなどの宿泊部門、レストランなどの料飲部門を目指す方におすすめです。外資系ホテルのレストランは外国人のお客様の来店も多いので、英語や韓国語による会話ができるとお客様とのコミュニケーションを図りやすく、質の良いサービスの提供につながります。
また、他業種からホテル業界に転職を目指す場合も、語学系の資格を持っていることは強みになります。
①TOEIC
英語によるコミュニケーション能力をスコア判定する試験です。世界約160か国で利用されています。
■TOEIC Listening & Reading Test
・リスニング45分、リーディング75分
・TOEICの中でも代表的な試験で、最も受験者数が多い
・ホテル業界で就職・転職する人におすすめ
■TOEIC Speaking & Writing Tests
・スピーキング20分、ライティング60分
■TOEIC Speaking Test
・スピーキング20分
■TOEIC Bridge Listening & Reading Tests
・リスニング25分、リーディング35分
・英語初級~中級者向け
■TOEIC Bridge Speaking & Writing Tests
・スピーキング15分、ライティング37分
・英語初級~中級者向け
②観光英語検定
観光や旅行に特化した英語力を測定します。近年は、外国人観光客が増加し、ホテル業界でも注目度が高い検定です。
■3級
・筆記、リスニング
・外国人観光客に、英語での道案内やパンフレット等の説明ができるレベル
・TOEICスコア220-470、英検3級程度
■2級
・筆記、リスニング
・旅行・観光業で必要となる基本的な日常英会話ができるレベル
・TOEICスコア470-600、英検2級程度
■1級
・筆記、ネイティブとの面接
・国内のホテル等で、外国人観光客に英語で充分な接遇ができるレベル
・TOEICスコア600-860、英検準1級~1級程度
③韓国語能力試験
韓国語の能力を測定します。
■TOPIKⅠ(初級/1級、2級)
・聞き取り40分、読解60分
・80点以上で1級、140点以上で2級に合格
■TOPIKⅡ(中級、上級/3~6級)
・聞き取り60分、筆記50分、読解70分
・120点以上で3級、150点以上で4級、190点以上で5級、230点以上で6級に合格
④中国語検定試験
中国語の能力を測定する試験します。各級の合格基準は難易度により調整されることもあります。
〈受験対象〉主に日本語を母国語とし、中国語学習をしている方
〈配点〉準4級はリスニング50点/筆記50点100点、4級~1級はリスニング100点/筆記100点
■準4級
・中国語学習の準備完了レベル
・リスニング、筆記合わせて60点以上で合格
■4級
・平易な中国語を聞き、話せる
・リスニング、筆記ともに60点以上で合格
■3級
・基本的な文章の読み書き、簡単な日常会話ができる
・リスニング、筆記ともに65点以上で合格
■2級
・やや高度な中国語の文章を読み書き、日常的に会話ができる
・リスニング、筆記ともに70点以上で合格
■準1級
・社会生活に必要な中国語を習得し、中国語訳および日本語訳、簡単な通訳ができる
・リスニング、筆記ともに75点以上で合格
■1級
・高度な読解力、表現力があり、複雑な中国語および日本語の翻訳、通訳ができる
・リスニング、筆記ともに85点以上で合格
飲食業に関する資格
飲食系の資格は、ホテルの料飲部門で調理スタッフ、ホールスタッフ、ソムリエなどを目指す方におすすめです。
①調理師免許(国家資格)
調理技術や衛生や栄養の知識を証明する国家資格です。調理師試験に合格すれば取得できます。
ホテルレストランや料亭などの調理場で勤務したい方は、是非取得しておきたい資格です。
〈受験資格〉中卒以上で、飲食店等で調理業務に2年以上従事した方
※厚生労働省指定の調理師養成施設を卒業した方は、都道府県に申請すれば、無試験で調理師免許を取得できる
・筆記試験(マークシート/全60問)
・試験科目は、公衆衛生学、食品学、栄養学、食品衛生学、調理理論、食文化概論
・全科目の合計得点が6割以上で合格
②レストランサービス技能士(国家資格)
料飲サービスの知識、技能のグレードを証明する国家資格です。レストランサービス技能検定に合格すれば取得できます。ホテルレストランや料亭でホールスタッフとして勤務する際に役立つ資格です。
・学科試験、実技試験
■3級
〈受験資格〉実務経験1年以上
■2級
〈受験資格〉実務経験3年以上の方、3級合格後に2年以上の実務経験がある方
※ただし、学歴によって実務経験年数が短縮されることもある
■1級
〈受験資格〉実務経験11年以上の方、2級合格後に4年以上の実務経験がある方、3級合格後に10年以上の実務経験がある方
※ただし、学歴によって実務経験年数が短縮されることもある
③ソムリエ
ワインなどの酒類、飲料、食の専門的知識、テイスティング能力のプロフェッショナルであることを証明します。ソムリエ呼称資格認定試験に合格すれば取得できる認定資格です。ホテルレストランなどで「ソムリエ」として勤務したい方におすすめです。
〈受験資格〉満20歳以上で酒類や飲食に関わる業務(提供、仕入れ、管理、輸出入、流通、販売、製造、教育機関講師、コンサルタント業務)に3年以上従事し、受験する年度の基準日時点で月90時間以上勤務している方
・合格者には認定バッジが発行される
・第一次試験(CBT)、第二次試験(テスティング)、第三次試験(論述、サービス実技)
④ワインエキスパート
ワインなどの酒類、飲料、食の専門的知識、テイスティング能力を測定します。ワイン愛好家向けの資ワインエキスパート呼称資格認定試験に合格すれば取得できる認定資格です。
〈受験資格〉満20歳以上の方
・プロフェッショナルな資格ではないが、ソムリエ試験受験資格に満たない人が勉強のために受けることもある
・合格者には認定バッジが発行される
・第一次試験(CBT)、第二次試験(テスティング)
⑤和食検定
日本の食文化を理解・継承し、発信するために必要な知識の理解度を測る筆記試験
■初級レベル
〈受験対象〉学生、外国人、一般社会人など、和食に興味を持つ方
・正解率によって3級、2級、1級の認定を受けられる
■基本レベル
〈受験対象〉和食業界初心者、和食業界に興味を持つ方
・正解率によって、2級、1級の認定を受けられる
※初級レベル、基本レベルの試験は、年2回(2月、10月)実施され、併願可能。
■実務レベル
〈受験対象〉基本レベルの認定を受けている方(基本レベルとの併願受験は不可)
・年1回(10月)実施
・正解率によって2級、1級の認定を受けられる
⑥パン製造技能士(国家資格)
パン製造の技術や知識を証明する国家資格です。
・学科試験(マークシート)、実技試験(実際にパン製造を行う)
■2級
〈受験資格〉2年以上の実務経験のある方、もしくは指定の専門学校等を卒業した方
・合格者は、職業訓練指導員(パン・菓子科)試験で、実技試験が免除される
■1級
〈受験資格〉7年以上の実務経験のある方、もしくは2級合格後に2年以上の実務経験のある方
・合格者は、職業訓練指導員(パン・菓子科)試験で、実技試験、学科試験の一部が免除される
■特級
〈受験資格〉1級合格後に5年以上の実務経験のある方
⑦製菓衛生師(国家資格)
製菓の技術や衛生知識を証明する国家資格です。「パティシエ」として勤務したい方におすすめです。
〈受験資格〉実務経験2年以上の方、もしくは都道府県知事の指定する養成施設で1年以上学んだ方
・試験科目は、衛生法規、公衆衛生学、食品学、食品衛生学、栄養学、製菓理論及び実技(実技は和菓子、洋菓子、製パンから選択)
・菓子製造技能士の資格を持つ方は、試験の一部が免除となる
⑧菓子製造技能士(国家資格)
菓子製造の技能を証明する国家資格です。
・学科試験、実技試験(洋菓子製造か和菓子製造を選択)
・製菓衛生師の免許を持つ方は、学科試験の一部が免除される
■2級
〈受験資格〉実務経験2年以上の方、もしくは厚生労働省指定の製菓専門学校等を卒業した方
・合格者は、職業訓練指導員(パン・菓子科)試験で、実技試験が免除される
■1級
〈受験資格〉実務経験7年以上の方、もしく2級合格後に2年以上(学歴によって異なる)の実務経験がある方
・合格者は、職業訓練指導員(パン・菓子科)試験で、実技試験、学科試験の一部が免除される
⑨食品衛生責任者(国家資格)
食品関係の営業(製造、販売、飲食店等)を行う際に必要な衛生知識を証明する国家資格できます。
〈受講資格〉17歳以上(現役高校生は対象外)
・自治体が行う養成講習会を受講することで、資格が取得できる
・調理師、製菓衛生師等の資格を持つ方は、講習会を受講しなくても食品衛生責任者になれる
施設管理に関する資格
電気工事士など、ホテルの施設管理部門で働く際に役立つ資格もあります。
①電気工事士(国家資格)
電気設備の工事、点検などを行う際に必要な知識と技能を証明する国家資格です。
・筆記試験(マークシート)、技能試験(実技)
・受験資格は不要
・ホテルで電気工事に携わりたい方におすすめの資格
■第二種
・600ボルト以下で受電する場所(一般住宅、小規模な店舗や施設など)の一般用電気工作物の工事に従事できる
■第一種
・第二種の範囲に加えて、自家用電気工作物(最大電力500キロワット未満)の場所の工事に従事できる
・第一種試験合格後、実務経験を3年以上積むと、都道府県から免状が交付される
②ボイラー技士(国家資格)
ホテルやビルなどの建物に設置されたボイラーを取り扱う際に必要な知識と技能を証明する国家資格です。
■二級ボイラー技士
・受験資格は不要
・免許交付は、筆記試験合格とボイラー実技実習の受講が必要
■一級ボイラー技士
〈受験資格〉二級免許を持つ方、大学等でボイラーに関する学科を修めて卒業し1年以上の実地修習を経た方など
・免許交付は、筆記試験合格に加えて、二級免許取得後の2年以上の取扱経験もしくは1年以上のボイラー取扱作業主任者の経験が必要
■特級ボイラー技士
〈受験資格〉一級免許を持つ方、大学等でボイラーに関する学科を修めて卒業し2年以上の実地修習を経た方など
・免許交付は、筆記試験合格に加えて、一級免許取得後の5年以上の取扱経験もしくは3年以上のボイラー取扱作業主任者の経験が必要
③危険物取扱者(国家資格)
消防法で定められた危険物を取り扱うことができる国家資格です。
・筆記試験のみ
■甲種
〈受験資格〉乙種危険物取扱者の免状の交付を受け実務経験2年以上の方、大学などで化学に関する学科や科目(15単位以上)を修め卒業した方、化学に関する修士・博士の学位を有する方、4種類以上(第1類or第6類、第2類or第4類、第3類、第5類)の甲種危険物取扱者の免状を有する方
・消防法で定められた全ての危険物の取り扱い作業、その立ち会いができる
■乙種
・受験資格は不要
・消防法で定められた第1〜6類の危険物のうち、免状の交付を受けたものの取り扱い作業、その立ち合いができる
■丙種
・受験資格は不要
・丙種は第4類のうち、ガソリンなど指定された危険物のみ取り扱い作業ができる
④消防設備士(国家資格)
消防用設備等の工事や点検をすることができる国家資格です。
・筆記試験、実技試験
・各類ごとに取り扱える設備が限定されるため、類ごとの免状が必要
■甲種
・特類、第1〜5類のうち、免状の交付を受けたものの工事、設備、点検ができる
〈特類受験資格〉甲種で3種類以上(第1〜3類のいずれか、第4類、第5類)の免状を有する方
〈第1〜5類の受験資格〉電気工事士等の国家資格を有する方、大学等の各種学校で機械、電気、工業化学、土木or建築に関する学科、課程、科目を修めて卒業した方
■乙種
・受験資格は不要
・第1〜7類のうち、免状の交付を受けたものの設備、点検ができる
ホテル業界で働く時に役立つ資格は沢山ある!
今回は、ホテル・ブライダル業界で転職活動を考えている方に向けて、ホテル関連の資格を一覧で紹介しました! 沢山の資格があることに驚いた方もいるのではないでしょうか?
ホテル・ブライダル業界専門の転職サイト「バリプラNext」では、ホテル・ブライダル業界の求人情報を幅広く取り揃えています。転職エージェントサービス(無料)に登録されますと、キャリアアドバイザーがこれまでの経験や転職先の希望などを丁寧にヒアリングし、あなたの希望に合った求人を紹介します。興味のある方はぜひ登録してみてくださいね。