これまでの勤務先を退職した際は、さまざまな手続きを行う必要があります。会社での書類の返却や受け取り、公的手続きなど、作業が多いので不安に感じている人もいるのではないでしょうか? 今回はホテル・ブライダル業界の転職を考えている方に向けて、退職時と退職後、それぞれの手続きについてご紹介します!
目次
退職する時に会社で行う手続き
退職時は、会社への「返却物」、会社からの「受取物」があります。それぞれリストアップしたものを、順番に見ていきましょう。
会社への「返却物」
会社からの貸与・支給物、社費で購入した備品などは、退職時に返却します。返却物は、勤務先の規定などによって異なりますが、一般的には以下のものが挙げられます。
・健康保険被保険者証
・社員証、社章
・名刺(自分の名刺、業務上で受け取った名刺、いずれも返却する)
・備品(制服、パソコン、携帯電話、ロッカーの鍵、社費で購入した書籍や文具など)
・書類(マニュアルや資料など、自分が作成したものも含めて返却する)
・通勤定期券
会社からの「受取物」
・雇用保険被保険者証(会社が保管していた場合)
・年金手帳(会社が保管していた場合)
・源泉徴収票 (確定申告で必要)
・健康保険資格喪失証明書(国民健康保険加入手続きに必要)
・離職票(失業保険申請時に必要。退職日翌日から10日以内に交付される)
・退職証明書(国民健康保険加入や扶養家族になる時に必要。転職先から提出を求められる場合も)
離職票、退職証明書は、既に転職先が決定している方は提出機会がないかもしれません。しかし、万が一転職先を短期間で退職した場合は必要となりますので、必ず受け取っておきましょう。
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退職した後に行う手続き(退職日翌日に転職する場合)
退職後に行う手続きは、退職日翌日に転職する場合と、転職先未決定/入社までに期間が空く場合で、違ってきます。
退職日翌日に転職先に入社する場合は、事務手続きに必要な書類を転職先に提出します。提出書類は、転職先によって異なることもありますが、一般的には以下の3点が挙げられます。
・雇用保険被保険者証
・年金手帳
・源泉徴収票
このほか、卒業証明書、免許・資格証明書、健康診断書などの提出が必要になることもあります。
また、雇用契約書、入社承諾書、扶養控除等申告書、健康保険被扶養者異動届(扶養家族がいる場合)、給与振込先届出書など、転職先で渡され、記入、提出する書類もあります。
転職先が未決定/入社までに期間が空く場合
転職先が決まっていない、もしく転職先の入社日までに期間がある場合は、自分自身で雇用保険(失業保険)、健康保険、国民年金などの公的手続きを行う必要があります。
雇用保険(失業保険)
転職先が決まっていない人は、居住地を管轄するハローワークにて、求職申請を行います。条件を満たせば、失業給付金を受給できます。
【必要な物】
・離職票1、2
・雇用保険被保険者証
・身分証明書
・印鑑
・顔写真2枚(たて3cm×2.5cm)
・普通預金通帳
【失業給付金の受給条件】
・失業状態である
・ハローワークで求職申請をしている
・離職日以前の2年間に被保険者期間が通算12カ月以上ある(特定受給資格者及び特定理由離職者は、離職日以前の1年間に被保険者期間が通算して6カ月以上ある)
【失業給付金受給までの流れ】
① ハローワークにて求職申請(受給資格決定)
② 7日間の待期期間
③ 雇用保険受給説明会に参加
④ 第1回失業認定日にハローワークに出頭
⑤ ④から概ね1週間程度で基本手当が給付される(受給資格決定から約4週間後)
以後は、失業認定日(4週間に1回程度)にハローワークに出頭し、その約1週間後に基本手当が給付されます。
基本手当の金額は、退職理由や退職前6カ月間の賃金によって異なります。
基本手当の給付日数は、年齢区分、被保険者期間、退職理由によって異なります。詳細は、ハローワークHPに掲載されています。
自己都合退職の場合は、7日間の待機期間満了翌日から、2カ月間の給付制限期間があります(期間中は失業給付金は受給できません)。
健康保険
転職先が未決定/入社までに期間が空く方の健康保険の手続きは、以下の3通りがあります。
国民健康保険に加入する | 退職日翌日から14日以内に住民票のある自治体の窓口で手続きを行う 【必要な物】 ・健康保険資格喪失証明書 ・身分証明書 ・印鑑 ・退職証明書(自治体から提出を求められた場合) |
任意継続被保険者となる (扶養家族含め、最長2年まで継続加入が可能) | 退職日翌日から20日以内にこれまで加入していた健康保険保険者or会社に申請する(郵送可) 【必要な物】 ・任意継続被保険者資格取得申出書 ・住民票 ・保険料1ヶ月分 ・印鑑 |
被扶養者として家族の健康保険に加入する (年収130万円以下等の諸条件あり) | 家族の勤務先経由で保険者に必要書類を提出する (早めの手続きが望ましい) 【必要な物】 ・源泉徴収票 ・離職票または退職証明書(いずれもコピー可) ・失業給付金や年金の受給金額がわかる書類(コピー可) ・住民票(被保険者と別姓の場合) |
国民年金
転職先が未決定/入社までに期間がある場合、国民年金の種別を「第1号保険者」もしくは「第3号被保険者(会社員など第2号被保険者に扶養されている配偶者)」に切り替える必要があります。
第1号保険者に切り替え | 退職日翌日から14日以内に住民票のある自治体の窓口で手続きを行う 【必要な物】 ・年金手帳 ・印鑑 ・退職日を確認できる書類(離職票、退職証明書など) ・身分証明書 |
第3号保険者に切り替え (年収130万円以下等の諸条件あり) | 配偶者の勤務先経由で年金事務所に必要書類を提出する (早めの手続きが望ましい) 【必要な物】 ・国民年金第3号被保険者該当届 ・源泉徴収票 ・離職票または退職証明証(コピー可) ・失業給付金や年金の受給金額がわかる書類(コピー可) |
住民税
住民税の納付は、毎月の給与から天引きして会社経由で納付する「特別徴収」と、年に4回自分で納付する「普通徴収」があります。
1月~5月に退職した場合は、原則として、最後の給与から5月までの住民税を一括で徴収されます。
6月~12月に退職した場合は、退職月の翌月分から自動的に普通徴収に切り替わります。自治体から納税通知書が送付され、自分で納付します。
所得税
年内に転職した場合は、転職先の会社で年末調整を行いますので、医療保険等の控除証明書、前の会社を退職した時に受け取った源泉徴収票を提出します。
年内に転職しなかった場合は、翌年に居住地を管轄する税務署にて確定申告を行う必要がありますので、各種控除証明書、前の会社の源泉徴収票を保管しておきます(退職後に失業期間が1カ月以上ある場合は、所得税の還付が受けられます)。また、12月に転職した場合は、転職先での年末調整が間に合わず、自分で申告を行う可能性もあります。
退職手続きは、計画を立てて行おう!
今回は、ホテル・ブライダル業界で転職活動を考えている方に向けて、退職する時と退職した後の手続きについてご紹介しました。転職先が決まっていない/入社までに期間がある場合は、自分自身でハローワークや自治体の窓口に出向く機会も多く、大変かもしれませんが、必要な書類をリストアップするなどして、計画的に進めたいですね。
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