ホテルへの転職を視野に入れた際、ちょっぴり気になってしまうのが「クレーム対応」。今回は、ホテル・ブライダル業界の転職活動を検討している方に向けて、ホテルでお客様からクレームが入った時の対応方法について紹介します!
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目次
クレームは、お客様からの「期待」

「クレーム」という言葉にネガティブなイメージを持つ方もいるのではないでしょうか。しかし実は、クレームは、お客様から「期待」の表れでもあります。お客様は、何らかの期待を持ってホテルを利用しており、しかしホテル側が「自分の期待に応えてくれない」と感じたからこそ、クレームを寄せるのです。
がっかりした気持ちになっても、ホテル側に直接伝える=クレームを寄せる人ばかりではありません。多くのお客様にとって、クレームは「できれば言いたくない」「言うのが辛い」ものです。クレームを伝えるには勇気がいるし、実際に伝える時の心理的負担も大きくなります。
ゆえに、ホテルにがっかりしても、クレームを控えるお客様は珍しくありませんが、そのホテルを利用することは二度とないでしょう。ホテル側は、信頼を回復する機会を失ったともいえます。
だからこそ、お客様がクレームを伝えた時は、ホテル側にとって信頼回復やサービスの改善の「チャンス」になるのです。
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クレームが起こりやすいパターンとは?

ホテルでのクレームは、いくつかパターンがあります。中でも多いのは、ホテル側に原因のあるものとお客様の誤解によるものの2つです。それぞれにどう対応するかで、ホテルとしてもスタッフとしても信頼や評価に差が出てきますよ。
ホテル側に原因のあるケース
客室設備の不備やスタッフの対応ミスなど、ホテル側に明らかな落ち度がある場合は、お客様からの不満ももっともです。
・フロントの対応が事務的だった
・スタッフの言葉遣いや対応が気になった
・説明が分かりづからかった
といった設備や対応でのトラブルが代表的です。こうしたクレームはできれば避けたいものではありますが、原因が明確である分、対応の方向性が決めやすいという側面もあります。
そして何より、このような声を届けてくれるお客様は、ホテルの今後に期待してくれているとも言えます。ホテルに不満があった場合「何も言わずに二度と来ない」という選択を取ることもできますよね。それでも率直な意見を届けてくれるのはありがたいことです。お客様のご意見を真摯に受け止め、同じようなことが発生しないように次に活かしていく姿勢も大切です。
お客様の誤解や勘違いによるケース
一方で、ホテル側に原因がなくても、誤解や思い違いからクレームになるケースも少なくありません。例えば、予約日を間違えていたり、プランの内容を勘違いしていたり、サービスの内容を把握していなかったりすることは、珍しくありません。オンラインでの予約が主流になってからは、日常的に起こっていることでもあります。
たとえホテルに原因がなかったとしても、お客様が不満を感じたという事実は変わりません。大切なのは、お客様の気持ちに寄り添った姿勢で対応することです。状況を丁寧に説明し、納得していただくことで、お客様からの信頼につなげることができますよ。
クレームが入った時の対応の流れとポイント

では、ホテルにお客様からのクレームが入った時は、どのような対応を取ることが望ましいのでしょうか。
クレーム対応に、これという正解があるわけではありませんが、基本となる姿勢や行動のポイントをおさえておくことで、スムーズに対応できるようになります。ここでは、接客の現場で役立つポイントを4つご紹介します!
①お客様の話をしっかり聞く
クレーム対応の出発点は、お客様の声にしっかりと耳を傾けることです。たとえお客様が感情的になっていたとしても、話をさえぎったり、すぐに解決策を提示したりするのは逆効果です。まずは、どんな点に不満を感じたのか、どのような場面で不快に思ったのかを丁寧にヒアリングしていきましょう。
話を聞く時に意識したいポイントは4つあります。
・メモを取りながら聞く
・お客様の話を途中で遮らない
・要所要所で「○○だったのですね」と繰り返し確認する(オウム返し)
・「差支えなければ~」や「失礼ですが~」などのクッション言葉を使う
こうした対応を心がけることで、お客様に「ちゃんと話を聞いてくれている」という安心感を与えられます。ホテル側の誠実な姿勢が伝われば、感情的になっていたお客様が少しずつ落ち着いて話をしてくださるようになることも少なくありません。
②状況を整理し、問題点を確認する
ある程度お客様の話が聞けたら、状況を整理し、問題点を確認します。重要な部分については、お客様に改めて質問するなど確認を怠らないことも大切です。
状況を整理する中で、お客様の「誤解」が解けるケースもあります。他のスタッフに事実確認が必要な場合は、その旨を誠実に伝えましょう。
③不快な気持ちにさせたことや、ホテル側に非がある部分について謝罪する
クレーム対応では、謝罪のタイミングと内容が非常に重要なポイントです。
ホテル側に非がある場合は、その点については明確に謝罪しましょう。「どこに問題があったのか」と「何について謝っているのか」をはっきりと伝えることが大切です。
ただし、ホテル側に過失がない場合やお客様の誤解によるクレームの場合には、丁寧に説明することは必要ですが、過度な謝罪は避けましょう。お客様が不快な思いをされたことや、ホテル側に非があったことについては誠意をもって謝罪し、信頼回復に努めましょう。
事実に基づく謝罪を心がけ、誠実に対応することが求められるということですね。
④解決策を提示する
ホテル側に非があった場合は、お客様の気持ちや要望を汲みながら、解決策を提示していきます。たとえば、料理の不備には「新しく作ったものを提供する」、客室の不備には「別のお部屋に案内する」、予約体制の不備には「付近のホテルを紹介する」などの対応が取られます。
お客様の要望に応えられない時も、「貴重なご意見ありがとうございます。今後の参考にさせていただきます」と一言添えるようにしましょう。
⑤判断に迷ったときは迷わず相談する
クレーム対応での正解が一つとは限らないからこそ、経験豊富な上司や先輩に対応を相談するのは大切なことです。マニュアルでは判断しきれないことや、お客様になかなか納得していただけない場合には、すぐに周囲に助けを求めましょう。
また、対応後にアドバイスをもらうことで、自分自身の成長にもつながりますよ。
「カスハラ」には毅然とした対応も。勤務先ホテルのクレーム対策を把握しよう
お客様の話に耳を傾けることは、接客業の基本です。しかし中には、少数ながら正当な苦情とは言えないような過剰な要求や理不尽な言動をするケースもあります。これはいわゆる「カスタマーハラスメント(カスハラ)」と言われるもので、近年では大きな社会問題にもなっています。
例えば、些細なミスを理由に「無料でスイートルームに変更しろ」というような無理な要求をしてきたり、感情的になってスタッフを長時間拘束して、繰り返し非難の言葉を浴びせ続けるような行為をしたりするのは、その典型です。こうしたケースでは、相手の立場の弱さにつけこみ、優位に立とうとする意図が見え隠れしています。
このような状況で大切なのは「すべての声に応えようとしないこと」です。不当な要求には冷静かつ毅然とした姿勢で対応し、必要に応じて上司や管理職に判断を仰ぎましょう。要求の内容やホテルによっては、警備員や警察に協力を仰ぐことも視野に入れる必要があります。
ただ、多くのホテルではクレーム対応に関するマニュアルや社内ガイドラインが用意されています。転職した場合も、事前に確認をしておくことでいざというときにも迷わず対応できるようになりますよ。
お客様対応のスキルはもちろん、こうした場面では「どこまで受け入れ、どこから断るか」という判断力や冷静さが求められます。接客業の経験を通じて、対人対応力を磨ける貴重な機会ととらえることができるといいでしょう。
クレーム対応は、スキルアップにつながる!
今回は、ホテル・ブライダル業界の転職活動を考え中の方向けに、ホテルでのクレーム対応方法についてご紹介しました。クレーム対応に苦手意識を持つ方もいると思いますが、お客様からのクレームにしっかり対応することは、自分のスキルアップや強みにつながります。
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